台湾出身の学部留学生にも緊急奨学金を支給

  • 2011.07.21 Thursday
  • 09:08
 留学生新聞ニュース
2011.7.20:東日本大震災関連ニュース(第29号)
****************************************************************************
■台湾出身の学部留学生にも緊急奨学金を支給

〜大震災対応の緊急奨学生を追加募集 26日まで〜

 文部科学省と(財)交流協会は、先の東日本大震災後に「日本政府と国交のある国の国籍を有する」外国人留学生に対して支給した緊急奨学金を、台湾人の学部留学生にも支給する方針を決めた。すでに各大学に対し、応募要項などの送付を始めた。同奨学金を巡っては、先に作新学院大学(学部)に在籍している台湾人留学生が、台湾が日本と国交を持たないなどの理由で申請を却下されたことを問題視し、フェイスブック上への書き込みを行ったことが、内外で大きな波紋を呼んでいた。

 日本と「中華民国(台湾の国号)」との国交が途絶えた1972年に、台湾との実務的関係を維持するために設立された交流協会では、文部科学省からの補助金により、台湾出身の留学生に対して奨学金給付事業などを行ってきた。平成21年度には、約6億5125万円が、奨学金や授業料等に支給されている。

 今回の問題を受け、同協会ではこのほど、文部科学省と協議を行い、緊急奨学金の趣旨が「学業成績が優秀で大震災の発生により生活に困窮している者」のサポートにあるとの観点から、日本と正式な外交関係を有しない台湾出身の学部留学生も、支給対象とされるべきと判断した。国費留学生の1ヶ月分に相当する額が支給された前回の追加分として、在籍大学からの推薦を受け付ける形で募集する。支給予定額は1人あたり12万5千円。

 追加募集に応募が可能となっている対象者は、東日本大震災の災害救助法適用対象地域(東京都を除く)に所在する大学に通う台湾出身者で、学部に在籍している留学生か、大学院に在籍していて3月募集では支給対象とならなかった留学生。支給予定者の人数について文部科学省では「申請状況により左右される(関係者)」としているが、『留学生新聞』の取材に応じた交流協会の関係者は「約10名前後を見込んでいる」と語った。

 なお、3月の緊急奨学生募集でも申請対象に含まれていた台湾出身の大学院生が、今回改めて申請可能となっている理由について、同協会関係者は「前回は文部科学省の規定で国費の研究留学生に準ずるとする年齢要件があり、大学院生でも35歳以上の留学生は応募が認められなかった。今回は年齢要件が外されているので、前回申請できなかった大学院留学生も救済対象とする狙いがある」と説明している。

 交流協会では、7月26日まで各大学からの申請を受け付けるが、ちょうど夏期休暇中にあたるため「各大学から個別に要望が有れば、期限については柔軟に対応したい」としている。


********************************
■台湾メディアの報道に 交流協会が抗議の書簡

 上記の問題に関連して(財)交流協会では、在日留学生向け緊急奨学金の支給について、そもそも台湾人留学生を対象としていたかどうか根本的な疑問を呈する趣旨の報道をした現地メディアに対し、抗議の書簡を送った。

 書簡が送られたのは台湾最大の発行部数を持つ「自由時報」とテレビ局TVBS。現地事情に詳しい関係者によると両メディアは、女子留学生がフェースブック上に書き込んだ内容だけを根拠に、「詳細な調査もせずに、台湾人視聴者に対して誤解を与えかねない報道を行った」という。

 書簡の中で交流協会では、大学院に在籍中の台湾人留学生25名に対しては、所属大学からの推薦を受け、すでに緊急奨学金を支給していると反論。報道の自由が保証されている台湾社会を賞賛する一方で、両メディアに対し、正確な事実確認に基づく報道を行うよう要請した。


以下参考記事

******************
【関連記事バックナンバー:[留学生新聞ニュース]7/8号より】

■台湾人の奨学金申請「拒否」で騒動に
〜文科省、関係機関と今後の対応を協議へ〜

 東日本大震災を受けて、文部科学省が外国人留学生への支援策として打ち出した緊急奨学金を巡り、私立大学の台湾人留学生が当初から支給の対象外とされたことに憤り、フェイスブック上に一連の経緯について書き込みを行ったことから、台湾の大手メディアや関係機関を巻き込んだ騒動に発展している。

 問題の奨学金は、文部科学省が被災地域の大学に在籍しており震災で経済的困窮に陥った私費留学生の中から、短期の国費留学生として150名を選抜し一時金を支給する制度で、4月以降に緊急募集が行われた。学部生に12万5千円、大学院修士課程学生に15万4千円、同博士課程学生には15万5千円(いずれも一人当たり)などが支給された。

 関係筋からの情報によると、栃木県の作新学院大学に在籍中の台湾人留学生3名がこの奨学金を申請しようとしたところ、大学側から「台湾は(日本が承認した)国家ではないから受け取る資格がない」として拒否されたという。
 その後、当事者の一人である女子留学生が、フェイスブック上に「台湾は震災後に多額の義捐金を日本に送ったのに、こんな目に遭うなんて」といった趣旨の書き込みをし、台湾現地で最大の発行部数をもつ有力紙「自由時報」などがこれを報じたことから、台湾外交部が同大学や日本の関係機関に事実関係を照会する事態にまで発展した。

 こうした状況を受けて作新学院大学では7日、「外国人留学生への奨学金の取扱いについて」と題する太田周・学長名の報道機関向け談話を発表した。同校では「一部の報道機関やネット上で、私どもの留学生の奨学金支給について、事実に基づかない記事が話題となっている」とした上で、学内調査を踏まえ大学としての立場を明らかにした。

 作新学院大学の説明によると、担当者は留学生に対して「台湾は国家でないから支給できない」というような説明をしたことは一切なく、今回の事態は「当該学生の方の誤解、あるいは間違った伝聞によるもの」と断じた。ただ台湾人留学生数名から奨学金支給の問い合わせがあった際に、今回の奨学金の資格要件として文部科学省が「日本政府と国交のある国の国籍を有する者」に限定する規定を設けているため、台湾出身の学部留学生については支給されない趣旨を説明したとしている。

 上記の資格要件について文部科学省では『留学生新聞』の取材に対し、大学(学部)生の場合は実際にそうした規定があるため、外交関係のない台湾出身者については同奨学金の支給対象外となることを認めている。一方で大学院に在籍している台湾人留学生の場合は、台湾との実務関係維持のために設けられた機関である財団法人交流協会が「文科省が行ったのと同様の措置を台湾の留学生に対しても行っている」という。

すでに、東北大学や筑波大学、宇都宮大学等に在籍中の台湾人留学生25名に対し、所属大学からの推薦を受け、奨学金を支給したとしている。

 文科省関係者は「大学院生であれば交流協会から支給される道があったが、今回のケースでは学部生であり対象外とされたことで、双方の間に誤解や行き違いが生じたのではないか」と語っている。

 奨学金の支給を巡っては、これまでも複数の私立大学で、対象者選抜から外れた留学生が大学側の対応に不満や不信感を抱き、学長に直訴したり、出身国大使館に駆け込むなどの事例が生じている。受給対象者の学内選抜を必要とするようなケースでは、選考基準を透明化するため、授業の出席状況や成績などの判断項目を数値化したり、特定の学生が複数年受給することを制限するなどの工夫が各校で行われているが、国の方針によって申請基準があらかじめ定められている今回のようなケースでも、留学生に対する説明や事前告知の在り方が、あらためて問い直される形となった。
 
 今回の問題を受けて文部科学省では、来週にも(財)交流協会と緊急協議を行い、奨学金の支給対象などについて、改善策を検討していくとしている。

*****************************

スポンサーサイト

  • 2018.06.21 Thursday
  • 09:08
  • 0
    • -
    • -
    • -

    PR

    calendar

    S M T W T F S
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    << June 2018 >>

    GoogleAdsense

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM